テトラサイクリンによる歯の変色とホワイトニング

院長の中井です。

今回はテトラサイクリンによる歯の変色とホワイトニングについてお話しします。

テトラサイクリンとは?

テトラサイクリン系抗生物質は、リケッチア、ブドウ球菌、肺炎球菌、大腸菌などに対して有効性が高いことから多様されてきました。
特に1965~1970年をピークとして生産されました。

歯質に対する影響を及ぼす時期のテトラサイクリン投与に関して、1963年には早くもFDA(Food and Drug Administration:USA)が対応し、警告を発していました。

・わずか数日間でも胎児期、授乳期、のおける母親への投与
・6歳程度までの本人への投与
が永久歯に影響を及ぼす危険性(変色)を示唆していました。

耐性菌の増加に伴い、使用頻度は激減し、現在は使用されることは稀になってきています。

テトラサイクリン服用による歯の変色

テトラサイクリンによる歯の変色(色調)は黄褐色から暗紫色まで極めて多彩です。

エナメルー象牙境付近に多く蓄積されることも解ってきています。
その着色が半永久的に歯質に止まる理由は、骨と違い改造現象(リモデリング)が起きない組織であることが大きな理由です。

また、蓄積された部分に紫外線が当たることで、色調変化を起こします。

テトラサイクリン変色の分類

テトラサイクリン変色での分類はFieinmanの分類、福島の分類があります。

Fieinmanの分類は、その色調からの分類で、臨床的に表現するにはわかりやすいです。

福島の分類は、摂取時期により蓄積された部分を見極め、テトラの摂取時期がわかります。

さて、臨床的に診断は容易ですが、問題は治療です。

色調がどのようにホワイトニングよって変化していくか?
きちんとクライアントに推測説明できることが肝心であります。

それでは、臨床(ホワイトニングによる色調改善)をみてみましょう。

テトラサイクリンへのホワイトニング臨床1

まずバンディング(境界線)が、リップラインで隠れるかどうか?

この症例は、福島の分類でII型ですがテトラの位置的にはIII型です。

ホワイトニングで大きく色調変化が起こる境界線は上記のラインで、ラインより切端部とのコントラストが明確になることが予想されています。

この境界線がリップラインで隠れるかどうかが大きいポイントです。

上顎右2は口蓋側にあり、1、3の陰になり特に暗く見えることが予想されます。

また、全体にテトラの着色が認められるので、ほぼ白くならないと考えるべきです。
上下33はほとんど白くならないと考えるべきです。

ホワイトニングで白くできるところは、ラインより切端の部位だけということとなります。
上記が診断でき、色調変化が予想できれば完璧です。

テトラサイクリンへのホワイトニング臨床2

1テトラ
マージン側1/3がテトラです。
よって、ラインの位置より切端2/3は白くなることが予想されます。

下記ホワイトニング途中かと考えられます。
注意点はホワイトニングで白くなると予想される部位がまだ色ムラが混在します。
しっかりホームホワイトニングで、時間と日数をかけることが必要です。

エナメルメイクロアブレージョンはどの部位に仕掛けるか?

この場合、テトラの部位のみジェルを塗布して刷り込み、全体を白くぼかせると一時的は白く見えます。
ただ水分が戻れば色調が戻ります。なのでしっかりホームを深部まで浸透させることを中心に行えば、多分見違えるような真っ白な歯の色調になると予想できます。

低濃度で長時間、長期間のホームがベスト

この場合トレーデザインは、オーバーハング(歯肉大きく覆うタイプ)の選択も必要です。

テトラへの対応まとめ

テトラサイクリン診断は簡単です。

ただ、どこまで白くできるか?どの範囲までできるのか?予想できることが重要です。

漠然とやってみても予想できなければ、クライントが心理的不安に陥ることが多々あります。

しっかり経験を積んで、クライアントに予想を説明できること、その予想がクライアントと共有できることが成功の秘訣かと考えます。

また、白くならないと判断しそれがクライアントの満足を得られない状況であれば、審美修復(補綴)処置の必要性も説明しておくことがポイントです。

修復物がオールセラミックスなど下地の色調が濃い色の場合はホワイトニングを終了してからの修復物(補綴処置)も白く綺麗にできることもしっかり説明しておくことも忘れないことです。

Dr.中井

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